国によって大きく違う残存歯数

10月号からの続きです。
80歳の平均残存歯数を比較したところ、日本は8.9本、スウェーデンは21.1本と13本も多く残存しています。治療技術の差でこれほどの違いが生まれたのではありません。こうした違いを生み出す理由の一つは、歯が悪くなってから治療するという日本の考え方に対し、北欧ではできるだけ歯を長く持つようにという予防重視の治療スタイルの違いだそうです。
歯みがきの時間は、日本のほうがスウェーデンよりも長いという調査結果が出ているのですが、決定的な違いは、歯科検診の受診率です。スウェーデンは80%以上、日本は10%未満と大きな差があります。
日本では「予防のため」に歯科に通う習慣がまだまだ定着していません。痛みがでたり、辛くなってから歯科に行くよりも、定期的に検診を受ける方が時間も医療費も少なくて済みます。定期健診を受ける頻度は3~6ヵ月に一度です。早く見つけることで、治療も必要最低限にとどめることができ、結果として歯を長持ちさせることができるのです。
半年以上検診に来られていない方は、なにも症状がなくても一度検診にお越しください。